なつのクレチン生活のはじまり



5月6日、無事退院をしみづの待つ私の実家へ・・・
みづは、なつを見て少しの間不思議そうな顔をしていたけどほとんど抵抗なく、なつを受け入れていたようでした。
これから始まる生活がどんなものになるか不安と期待を抱きつつ、この子たちの親として頑張ろうと心に誓っていました。
疲れていても楽しいの生活を送っていたこの時には、数日後にはとてつもない不安感に襲われる事なるなんて考えもしていませんでした。


電 話

そんな生活が始まり5月12日(土)の事でした。旦那から連絡があり、産院から『明日にでもマススクリーニングの再検査をしに来てほしい』と留守電が入っていたと言うのです。
この時点で、私がわかった事は、【先天性の・・・ 再検査・・・・ 一刻を争うから】と断片的なものでした。
しかも両親は出かけていて話が出来る人はおらず両親が帰って来るまでの数10分、なつを抱きわけもわからないままただただ涙だけがあふれてきました。
帰って来た両親に説明しようにも私自身状況が把握できていない状態だった為、母にも不安な思いをさせました。
仕事が終わった旦那が実家まで来て詳しく聞こうとするが当然旦那もわかるわけがなく、次の日菜月を連れて産院に行けばわかるだろうと思っていました。

再 検 査

病院では、『(採った)血の量が少ないだけでも再検査があるし、気にしないで下さ〜い。結果は、わかりしだい連絡しますね〜。』と言われたけど気休めにもなりませんでした。
一旦、自宅に戻り休憩をしてから実家に帰り、結果が出るまで不安な気持ちで過ごしました。
2日後、産院から直接実家に電話があり、【精密検査に行ってほしい。病院にはこちらから連絡しておくからどこの病院がいい?】といくつか病院名を挙げられる。
突然そんな事を言われても、考える余裕なんてない私は、自宅から近くて自分のの知っている病院名があったのでそこにしてもらうが・・・
実家から病院まで片道1時間強の道のりを往復しなければなりません。
生まれたばかりのなつにとっては、つらい道のり。 精密検査の後もどうなるかわからないし両親と相談して実家に美月を残して、精密検査と聞いたその日の夜中に私と菜月だけが姉の車で自宅に戻る事になりました。

精 密 検 査

5月17日、旦那に半休をとってもらい午前中の指定された時間に病院に行くが、
紹介状がないから(産院から連絡行ってるから話はついてるはず) ・・・カルテを作らないと(そんなの知らない)・・・保険証は?(生後17日目。あるわけない)・・・などと言われ時間がかかった。

かなりの時間待たされやっと診察室に通されて主治医となる先生と初対面。
主治医は、『どのくらい待ちましたか?お待たせしてすいませんでした。』と言ってくれ(やっぱり先生は知っていたんじゃない・・・)一息ついたところで、図にして疑いが持たれる病気の説明を詳しくし教えてくれた。
その時初めて聞く病名


  ― 甲状腺機能低下症 ― (クレチン症)

私は初めて聞くこの名前に頭の中はさらに真っ白になり先生が説明してくれている言葉など何も頭に入らなかった。
この日に、治療の説明と採血、膝のレントゲンを撮った。レントゲンは膝にある丸い骨があるかどうかを確認する為のものだったが、本来まだ曲がったままでいる子供の足を無理やり伸ばして撮るのは大変なものでした。
膝の骨はあることがわかり、この病院では採血の結果を出す事が出来ないので、結果は後日連絡を待つ事になった。 あとになって思えばボーッとしている私に対し、しっかり先生の話を聞いて理解しようとしていた旦那はすごいと思う。
家に戻り旦那が仕事に行ってしまってから実家に電話をして、この日の診察の報告と私が説明できる範囲で話をした。
なつと2人きりになった私は、不安な気持ちで押し潰されそうになっていました。
産後間もない私には精神的にも肉体的にも辛く現実逃避し、これから先の事が何も見えなくて、なつを連れて本気で自殺する事も考えたました。
後から後から涙だけがあふれてきてどうしようもなかった。
今思えばあの時、美月がいてくれたらもっと前向きになれたのかもしれないけど・・・ 
普段気の強い私のあまりの落ち込みように旦那は心配して早く帰ってきてくれた。、
当初、『できるだけ急がせますが、結果が出るまでには1週間くらいかります。』と言われていたけど翌日には主治医から連絡がありました。

治 療 開 始

5月19日、旦那が仕事でいないし産後すぐの私には運転する事もできないので実家から両親に来てもらう。
母と一緒に診察室に入りもう1度先生の説明を聞く。
原因がわからない病気である事、遺伝性でもない事。
だから、私が落ち込む事ではないと泣いてばかりいる私を気遣いながら先生は話してくれました。
まだ現実を受け止めていない私よりも母の方が、先生に質問してくれいろいろ聞いてくれていた。
何を聞けばいいのかもわかっていなかった私には母がいてくれた事が心強かった。というより、母は自分で聞いて納得したかったんだけど。

この日に、喉のエコーをしました。少し肥大していたらしいが甲状腺はちゃんと定位置にあることがわかった。エコーを撮る時、必死で押さえている私の周りで3、4人の先生達が見物していたのは嫌だった。
そしてこの日からチラーヂンSの投薬が開始しました。
主治医は、チラーヂンを飲む事を『目の悪い人がメガネをかけたりするのや、ビタミンが足りない時にサプリメントを飲んだりするのと同じ。足りないホルモンを補ってあげるだけだから特別な事はありません。
これからの生活は普通にできます。これから先、予防接種も離乳食も普通にしてもらって大丈夫ですよ。』と言ってくれ、その言葉にどれだけ心がすくわれた事か・・・ 
まだ生まれたばかりの赤ちゃんを小児科に連れて行くのは時間もかかるし風邪やなんかが移るとまた大変だしということで、次回からは『アレルギー外来』で診てもらう事になった。
そこは、外来ではあるけど昼間の人が少ない時間だし小児科で診るよりゆっくり診られるからだと聞き、先生も同じだから安心して任せられるようになった。

5月28日、検査に行く為来てくれた姉夫婦に連れられみづが帰って来た。
やっと、この日から家族4人の生活が始まった。

主 治 医

近いくて知ってるというだけで、頭が混乱しているまま適当に決めた病院だったけどみんなの話を聞いていると、うちは幸運だったのではないかと思えた。
主治医は、小児内分泌科の専門医であったこと。
わからない事は、わかりやすく丁寧に話してくれて、毎回検査の結果を聞かなくても教えてくれる。
いろいろな話しを聞いていても検査の内容や細かな数値など、どうも統一性はないけれど今の主治医ならば、安心して任せられると思いました。

ふっ切れた時

クレチン症というものに対して、薬さえちゃんと飲んでいれば何も問題がないのだと私自身の気持ちがいろんな意味で消化できた時、いつまでもウジウジしている場合じゃないと気がつきました。
採血の時に痛くても頑張っているのも毎日薬を飲むのも、私ではなく菜月本人なんだ。
不謹慎かもしれないけど、命にかかわる病気じゃないんだし、母親の私がしかしなくてどうするんだ!
そう思った時、落ち込んでいたのがふっ切れて、この先どんなことがあるかはわからないし不安はたくさんあるけれど前向きにやっていけそうだと思いました。

通院・薬の調整・回数

7月9日。この日まで、2週間に1回の通院で数値と体重を照らし合わせて少し薬の量の様子を見ていましたが、少し減りました。
次からは1ヵ月後。8月6日の検査では、『1日3回に分けていた薬を1回にしましょう』と言われる。
のちに、通院までの間隔が7週間後となり、2ヶ月後になり現在の薬のなくなるころ(一応3ヵ月後)となるが、最初に1度調整して以来、薬の量は変わっていません。

コレステロール・貧血

いつもの検査に行ったある日、菜月のコレステロールが高い事を主治医から聞かされました。
今は良くても、大きくなった時に困るからということで食事に気を付けることになりました。

貧血もあるみたいなので詳しく検査をする事になる。
貧血の方は、薬を飲むほどではないようなのでコレステロール同様、食事で積極的に摂るようにしてみましょうとなった。 現在、どちらも落ち着いてきているみたいなので頑張って食べやすい食事を考えている。(でも、はっきりいってめんどくさい…)

現在までに・・・そしてこれから

菜月が生まれてからこれまでに、いろんな人に助けられここまで来ました。

精神的にも肉体的にも助けてくれた旦那に。
片道1時間強かかるのに病院の送り迎えをしてくれ、いろいろ大変だからと美月を結局1ヶ月預かってくれていた両親と姉夫婦に。
1ヶ月の間、親がいないのにおとなしく(?) していてくれた美月に。
考えると泣いてばかりいた私と母に対し、自分も不安であったにもかかわらず『自分がしっかりしなくては!』と気丈に接していてくれ、クレチン症と言うものがどんなものなのか理解でなかった時に、当時パソコンのなかった私のかわりに携帯で見られるクレチンの掲示板を見つけてくれた姉に。
ネットを通じて相談に乗り、いろんな事を教えてくれ、私がこのHPを作るきっかけをくれた人たちに。 そして、わからない事を聞けばちゃんと説明してくれる主治医に。

たくさんの人たちに感謝をしています。
そして、これからもその気持ちは変わる事なく続いていくと思います。



なつのクレチン表

  

身長

体重

TSH

fT3

fT4

  

H13.5.5

10

 − 

産院でのマススクリーニングの結果

5.13

14.2

 − 

再検査の結果

5.17

3.04

31

 − 

 0.53

精密検査の結果 (5月19日から1日3回チラーヂンS投与開始)

5.28

0.23

 − 

 2.04

 

6.11

0.08

 −

 2.69

 

7.9

<0.05

 −

 2.46

1日あたり0.5μg(/錠剤50)になる

8.6

56.4

5.65

<0.05

 −

 1.82

薬りを飲む回数が1日3回から1回になる

9.3

6.45

0.08

 −

 1.62

 

10.22

6.68

0.16

 −

 1.99

 

12.27

67.5

6.85

1.66

 −

 1.61

 

H14.2.18

 7.3

1.8

 −

 1.58

 

4.15

 7.2

1.25

 −

 1.54

 

6.10

 7.3

0.3

 3.5

 1.7

コレステロールが高いと言われる

8.5

 7.6

1.6

 3.1

 1.2

貧血気味の為、検査をすると言われる

10.7

 8.5

 0.9

 3.8

 1.6

貧血検査をもっと詳しくすると言われる

12.16

74.5

 9.0

0.3

 3.7

 1.5

血液中の鉄成分が少ない コレステロールがやや高い

H15.3.31

10.5

1.1

 3.8

 1.4

貧血検査の結果、食事で取る事が出来れば大丈夫との事

7.7

 11.5

2.7

 4.4

 1.3

貧血・コレステロール共に問題なし

9.29

81.4

 11.0

4.8

 5.1

 1.3

3歳になった春から夏にかけての間に負荷テストの予定(未定)

12.22

81.3

 11.5

2.1

 4.3

 1.7

チラーヂンが0.5μgから0.6μgになる(/錠剤50)

H16.3.22

84.3

 11.5

2.0

 4.2

 1.4

 

6.21

86.0

 11.8

 2.6

 4.3

 1.6

 

9.27

87.3

 11.5

 1.3

 4.6

 1.6

 

12.3

90.2

 13.0

 

 

 

主治医が転勤する事がわかりそれにあわせて転院を決める

2.14

 

 

 

 

 

 




HOME    メニュー    なつへ

   



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送